日常転生非日常・ A life / after life
6月6日
読了時間: 2分

海岸を訪れていた日でした。
わたしははるか彼方に広がる海を眺めながら
同じく海沿いを散歩する人々の静かな足音に耳を傾けていました。
犬の散歩中の夫婦は何やら小さな声で話をしていたようだったが
わたしにはちょっとした相槌「....ね」とか「....かな?」
そんな言葉しか聞き取れず、そのうち夫婦の姿はすっかり遠のいて
ただの小さな影になってしまいました。
そういえばこの海岸の入り口付近には古いひし形の時計が立っており
その時刻は午後4時20分と25分の間で
なぜわたしがこれを写真に撮ろうと思ったのか、
それに大した理由はないけれども
わたしはこの日、この古いナショナルの時計を
記憶の片隅に写真として残しておこうと決めたのです。
わたしのカメラはいつもの古い小さなコンパクトフィルムカメラで
中に入っていたフィルムもいつもの通りモノクロームでした。
古い時計と、古いフィルムカメラ、そして現像されたモノクロ写真。
それらはまるで、記憶という旅の途中でシンクロし合いながら
最後にわたしだけのものとなる小さな贈り物でした。
わたしはそんな想像をしながら
今日は海の記憶を思い出し、このブログの中で
それをまた新しい過去に変えてしまいます。
止った時刻と動いていた過去
まるでそれ自体が時を刻み続ける時計のようだと感じながら、このページを閉じる。
そしてわたしは、翌日となったある日もまた、このページを開き
またページを閉じるのでした。




コメント