4月・陽気と睡魔
- 4月23日
- 読了時間: 2分

3ヶ月はあっという間に過ぎてしまった。
2026年が始まったばかりのあの冬は当たり前だけど春の訪れとともに消えてしまった。
寒い寒いと窓の外で話していたカップルの姿はもう見当たらず
まあたらしい制服を着た子どもたちが通学路を往来しているのを、つい先日見かけたばかり。
わたしはというと、また家の片隅でスマートフォンの中の写真を整理しながら
昨年の春に撮ったフィルム写真の中の満開の桜の樹を眺めている。
この日は空が青く、澄んでいた。
その中を一羽の鳥が飛んでいくのを目撃し
カメラのシャッターを切った。ただ、それだけのことながら
そこでしばらく春の匂いを感じとる。
なんの鳥だかはわからないけれど、まるで満開の桜の樹の中に突進していく姿は
偶然にしてはできすぎなぐらいの日常で
わたしは思わず立ち止まってしまうのでした。
そのそばを、下校中の小学生が「バイバーイ」と言いながら通り過ぎる。
その横を買い物帰りのおばあさんがゆっくりとした足並みで彼らとは真逆の方向に進んでいく。
わたしはずっと頭の中にリフレインしている「バイバイ」というフレーズを音楽に変えながら
街の中をただぶらぶらと歩き続ける。
記憶ーーその中で一つの景色が季節の運び屋となり、わたしはその目撃者となる。
そんな日々の何気なさは、むしろ非日常的な美しさに満ち溢れ
わたしはそれを振り返ることで、ふたたび新しい何かを手繰り寄せたくなるのでした。



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